ごあいさつ
歯科医師になって30年。
患者様の様子が随分変わってきました。
アゴの形がスリムになり、顔が小さくなり、歯質が柔らかくなり、噛む力が弱くなり、唾液の量が少なくなっています。お年寄りにおいては歯が無くなった顎堤(ドテ)がやせ細り、噛む力が弱くなり入れ歯を作る条件としては非常に悪くなっています。
歯がある人、無くなった人の両方にアゴの病気(顎関節症)が多くなっています。
そして、ある年齢以上になると全身疾患を持っている患者様が非常に多くなってきたと言うことです。
特に糖尿病を持っている方が多くなっています。
その他には、心臓疾患、脳梗塞、腎疾患、悪性腫瘍(ガン)、喘息などの呼吸器系の疾患など全身疾患を持っている方が非常に多く既往歴には特に「糖尿病+他の疾患」と言った具合に複数記入される方が大半です。
最近の研究で口腔内の細菌でムシ歯、歯周病に関係のある細菌が特に歯周病関連の細菌が糖尿病、循環器系疾患、腎疾患、骨粗しょう症などと大きく係わり合いがあることが解ってきました。
「 口は命の入り口であって、病の入り口にしてはならない」
「健口が健康をつくる」「噛むことは生きること」です。
お口の病気が、全身疾患の原因の1つであったり、病気の引き金に
ならない様に管理する必要があります。
「痛いときだけ」「腫れた時だけ」の対処療法ではなく、そうならないように予防的に対処し健康な口腔(歯、歯肉、噛み合わせ)で バランスのとれた食生活が何よりも重要であり、健康な体を維持する為の第一歩です。子供たちにとって健康なお口は健康増進、脳の発育に、お年を召した方には、姿勢の維持やボケ防止にも役立ちます。
この30年間で予防・メインテナンスの大切さ、しっかり物を噛み
咀嚼し、飲み込む事の重要性、口腔内を清潔にする事が心身に与えるメリット等再認識しました。
私達を取り巻く環境が大きく変化した近年、特にこれらの事の重要性を痛感しています。
これからも皆様の生涯を通したお口のトータルコーディネーターとして、健康で幸せな人生を送るためのお手伝いをしたいと考えております。